Saturday, February 9, 2008

「時間を厳守せよ」という記事に関するコメント

代替医療通信、第12号の「ハートtoハート」記事に関するコメント
これは著者に対して個人的な批判ではなく、単なる異なる思考(気になる違いですが)の表現です。

先ず、著者(病院の理事長、医師)「(出勤など)時間を厳守せよ」と言う考え方を表現した。無論それは大事な場面もあるでしょうが、今毎日新聞で見る限り「医師不足」や「医師のか過酷勤務」が問題されているです。もしそうであるようでしたら仕事仲間同士で「時間を厳守せよ」と責められるのは決して喜ばれ事はないでしょう。私の治療院では患者が見える範囲内には時計がありません。院内の時間の流れが別世界のものです。このように「時間を気にしない」状況は患者の間に評判が良いです(救われると表現する患者もいます)。
当然著者は病院で勤務中の話をしているから状況が異なります。しかし、ここでも基本概念が少々ずれていると思います。単純にお互い勤務し、働く時間に基づいて給料頂くもの同士の話であれば、チームの一人が遅れたり、休んだりしますと他の仲間が裏切られていると解釈するかもしれません。しかし、そのような考え方はいかにも「お金(給料)」の尺度次第で測られています。それは大変悲しいことです。
少々脱線かもしれませんが、ドイツ語では「仕事=職業」は "Beruf" と呼びます。この単語は「"Berufung" = 召命」から由来します。もし医療従事者になった理由は「医者になれば金持ちになる」概念に基づく(医者になるのは最初から裕福の家の出身でないとこの国では所詮難しい・・・)ようであれば、同僚の批判は理解できなくもありません。しかし、もし医療従事者になるのは上記の「召命→使命 =  "Berufung" =天職」だと信じるようでしたら、患者の為命を捧げて全力尽くすのは当たり前です。ただ、医療従事者も人間ですので、体力の限界はあります。無理の勤務体制の為に体を壊してしまえばこそ、患者の最悪の迷惑になります。患者にそのような迷惑をかけないため、適切は休みを頂くのはどこにも悪くありません。同僚など(病院の人事部を含む!)もこの人は上記の意味で天職を従事すると分かれば、批判は出ないはずです。

次に、「言い訳無用」の文中に「結果は全て」と書かれている所もありました(ドイツ人の話にも出てきました)。これは軍人の発言のように聞こえます。私は医療現場では「結果は全て」が有り得ないと信じます。上で天職の所で触れたように、全力で頑張っていても結果と繋がらない事もありますので、「大目」に見て欲しいです。
 そして、ここは国民の違いはあるかもしれません、著者の文を読むと「言い訳」は悪いことだと言うように聞こえます。私個人的はそれがどちらかと言うと「説明」と解釈しています。患者や仕事の同僚に対して○○何で出来なかったかを説明すると「ああ、この人も只の人間です」と言うように納得しやすいです。

上記のように医療従事者は「召命=天職」をしていると分かれば、日常のパターンを少々変則にしたり、時間的ルーズであっても全く気にせず気楽/楽しく仕事が出来るでしょう。楽しく仕事できるようでしたら「効率」も当然のように上がと私は信じています。

常識のないドイツ人より

ありがとうございます
トーマス鍼灸院
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医道四弘誓願
疾病無辺誓願療
病因無尽誓願断
病理無量誓願学
医道無上誓願成

当日雑誌の編集部からお返事がきました:

Thomas Blasejewicz 先生


きょうは忌憚のないご意見をありがとうございました。

いくつかの解釈・認識の仕方・持ち方の違いもあるでしょうが、
率直に受け止めておきたいと思います。

あす、著者と会いますので、
このようなご意見もありました、と申していきます。
もし、回答があるようでしたらお知らせいたします。

まずは御礼申し上げます。

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